江戸っ子のワークスタイル

江戸っ子の労働スタイル

自分の気持ちを吐き出すだけでは、何も解決しません。また、入ってくる情報がいつも一様だと同じ考えが頭の中をグルグル回るだけです。近視的な思考は心を傷めます。シリーズ第2弾は労働にまつわる様々な話を紹介していけたらなと思っています。

私たち日本人は諸外国と比べてよく働き過ぎだと言われます。そして、働いている割に生産性が低いとも言われていますよね。さて、私たちの文化のルーツである江戸時代はどうだったのでしょうか? 私たちの祖先は昔から勤勉で大人しくてサビ残が大好きだったのでしょうか?

現在のコンビニ店舗に相当するくらい多かったと言われる寺子屋の影響もあってか、日本の識字率はとても高かったというのはよく知られています。また、数学の問題の解答を絵馬に書いて神社、仏閣に奉納(算額)したりしてみたいです。なんだかインテリジェンスを感じますね〜。

ただし、黙々と勉強する江戸っ子ばかりかといわれるとそうでもないようです。

コスプレをして日銭を稼ぐ

一般人にも浸透してきたコスプレですが、実は江戸時代の方がこのコスプレがずっと身近だったことはあまり知られていません。お金が無くなれば、ちょっと働くのも辛気くさいと考え、釜底についたすすを顔に塗りたくって、杓文字を片手に仙人や妖怪や閻魔大王に扮して口上を述べるのです。そうすると、道ゆく人々はどっと笑い投げ銭をしてくれます。

かの有名な葛飾北斎もこれで食いつないだ時期があるそうです。これは素晴らしい文化ですね。

物価の安さ

物価が高い高いと言われている日本ですが、当時はとても物価が安かったのです。親子3人が一ヶ月8万円くらいの収入でひもじい思いをしないで過ごせました。この8万円を当時の労働時間に換算すると、月の20日間で日に4時間程度。もちろん、医療も進んでいませんし年金なんてものもありませんが。

また、車や列車がありませんから旅にはたくさんのお金が掛かりました。東京から京都まで片道15万円!旅先では高額な小判などが使えないため、両替商などで細かく崩して様々な場所に隠したり縫い込んだりする必要があったそうです。高額紙幣を出すと怪しまれるアメリカみたい。

江戸っ子がクールジャパン

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江戸っ子は大の歯磨き好きで歯が削れるほど磨いていました、また当時はたくさんの種類の歯磨き粉が出回っていたことも知られています。もしかしたら、私たちはヨーロッパに憧れているのではなく文化のルーツである江戸時代のライフワークバランスを無意識に求めているのかもしれません。衣食住足りて初めて文化芸術が花開きます。テクノロジーが進むと、人生のランニングコストも高くなってしまうんですかねー。私は個人的に落語が好きですが、古典落語が今でも人々の心を掴むのにはこうした文化的ルーツがあるせいかもしれません。

高くなり過ぎたランニングコストために働く東京人を江戸っ子はどういう目で眺めるでしょうか。