書類に醤油のシミを付ける君は

染み

学校に提出する書類はどれも全て必ずといっていいほど醤油のシミが付いていた。これが私の小学校時代の思い出。恥ずかしくて仕方がなかったけど、学校から配られたプリントを親に渡すと、返却された用紙にはいつも茶色いシミがついてくる。この学校から配られる公的で大切なプリントの上で勝手にハジける茶色いシミがいつも憎くて仕方なかった。

両親にも何度も抗議したが、学習してくれる気配もないのでそのうち諦めてしまった。隣の席に座っていた初恋のリカちゃんはいつも綺麗なクリアファイルをからしわひとつないプリントを担任に提出していたのは私の甘酸っぱい思い出です。

そういった子供時代を過ごしたこともあって、紙の取り扱いには少し神経質かもしれません。仕事で使うクリアファイル色で取引先毎にクリアファイルの色を変え、見積もりや決済関係のお金が絡むクリアファイルは赤のものを使っています。

かといって、幼少の思い出とともにあるこのシミを無下にはできません。ついこの間、私の妹がシミを題材にした絵本を描いたのをふと思い出しました。そう、彼女も脳裏にもこの愛すべき醤油のシミが焼き付いていたんですね!

最近このシミをエレガントに演出出来ないと考えたのが次の方法です。

本や参考書に好きなアロマを垂らす!

自己責任でお願いします。もちろん、図書館や人から借りたものにやってはダメ。それも立派なスメルハラスメントです。多くのエッセンシャルオイルは参考書に必ずシミをつくります。(油のようなシミを紙に残しますが、実は精油には油分は入っていません)匂いは変更できません。参考書の端っこがいいかもしれません。

現代人は香りの効果を侮っています。満員電車でも、カフェでも、図書館でも!音漏れもないですし、光ったりもしません。強すぎる匂いは控えていただきたいのですが、エッセンシャルオイルの数滴程度なら、衣服から香る柔軟剤の匂いにそう大差ないでしょう。素敵な香りは、学習の妨げにはなりません。むしろ、殺伐とした環境下で勉強しなければいけない社会人には最高の気分転換になるでしょう。

香りはずっと残りませんが、シミはずっと残ります。醤油シミを愛する素養がある方はお試しあれ!

シミだらけの人生

ここからは蛇足です。この記事全部が蛇足と言われればそれまでですが。。。多くの人の人生は染みだらけの人生です。もちろん私の人生もそれこそ染みだらけ。ひとりの人間の人生はひとつですが、様々な出来事や人との交差によって心にたくさんの染みが出来ていきます。

若い頃は、原色のように輝くコントラストの人生を思い描きますが、いつかそれが色あせて染みになっていきます。泣いたり笑ったり傷つけたり愛されたりして、染みはどんどん増えてきます。無軌道に染みを付けていけば心は灰色になっていきますが、染みの落ちそうな場所に細心の注意を払って歩みを進めていけば、いつか美しい色彩環が出来るのではないかとも思うのです。