大人になってからチェロを習い始めて

チェロを習い始めて、3年5ヶ月。練習時間は、月15時間程度を確保することを意識して練習してきまして、なんとかごくごく簡単な曲を弾けるところまで辿り着きました。

もともと高校生の時に吹奏楽部でフルートを3年間やっていましたが、ピアノの経験が全くなかったので、楽譜を読むことに大変苦労した記憶があります。

今でも、楽譜に書いてある簡単なリズムは理解できますが、それを楽器で表現しようとなると付点4分音符の長さがまちまちだったり、8分音符でリズムが転んだりします。

また、チェロは左手の指の位置で音程を作るので、音の高低がわかってないとちゃんとしたドレミは出せません。

これが幼少期に一度でもピアノを習っている人だと音程とリズムが感覚的に刻みこまれているので、この辺りで苦労することはないようです。

大人になってからでもトライ出来る弦楽器として人気ですが、続けていく難易度は相当なものだと思いますよ。

練習時間確保の難しさ

働きながら楽器を練習するというのは、相当難易度が高いこと。

平日一日の大半は仕事に拘束されますよね。楽器は何と言っても量稽古なので、自主練習と先生とのレッスンを平行して進めていかなければいけません。

休日は他の予定が入り易いので必ず練習が出来るとも限りません。

ですので、やはり平日の夜に安定して練習が出来る時間を確保する必要に迫られるはずです。

つまり、ノー残業デーや仕事量を調整する力が無いと楽器を続けていくことはとても難しいのが実情です。

練習場所確保の難しさ

チェロの音量は80dB(デシベル)。カラオケがだいたい90dB〜100dBと言われていますので、チェロもなかなかの音量です。

楽器の目的が音を出すことにあるので、仕方がないことですが通常の集合住宅住まいでの練習はまず無理です。

エレキギターのようにヘッドフォンを付けて自宅で練習なんてこともできません。

カラオケボックスやスタジオを借りて練習しなければいけません。練習場所が遠いとその分時間もロスしてしまいます。

徒歩圏内に練習場所を探すようにしましょう。

お金がかかる

楽器自体も高価です(フルセットで60万〜)。それに加えて、レッスン費用(年間10万円)だったり、メンテナンス費用(年間数万円)だったり、スタジオ代(年間8万円)だったりと、最低でも年間で20万円前後かかります。こうして見るとなかなかの金額になります。

楽器代60万円、年間20万円の金額を出す価値が本当にあるのか、よく検討する必要があります。

まともな音を出すまで3年かかるみたい

教則本の練習曲を好きになれない人は続かないでしょう。練習曲は退屈でつまらない、先生には自分の弾きたい曲を最初から教えて欲しいという考えはピアノでなら通用するかもしれません。

けれども、チェロでは曲だけを練習しても絶対に上達しません。それは、ピアノのように鍵盤をたたくだけで正しい音程を出すことが出来ない楽器だからです。

弦を左手の指で正しい且つしっかりと抑えていないとそもそもドレミすらまともに鳴ってくれないのがチェロという楽器です。

ですから、練習曲のような一見単調に見える曲(私は大好きですが)も根気よく楽しんで練習していけないと、チェロのような作音楽器の練習は長続きしないはずです。

好きな曲よりもチェロそのものの響きに愛着がなければ長続きしません

ということで、時間、場所、お金、忍耐力まで求められるのがチェロです。

今回は会社員である自分が実際に楽器を習い始めて骨身にしみて感じたことをまとめてみました。これから始めてみようかと思われている方の参考になれば幸いです。