アーユルヴェーダの歴史
最近国内でも耳にすることが多くなってきたアーユルヴェーダ。
元を辿っていけば、ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大伝統医学のひとつとしてかなり古くからあるものです。
発祥とされているのは三千年前のインド。52の賢者がヒマラヤの山麓で瞑想。その深いトランス状態の中で神から授かった智慧をアーユルヴェーダ(サンスクリット語で生命の科学または生き方の智慧を指す)として記したものです。
ホロドフスキーのホーリーマウンテンをなんとなく思い出しました。
オカルト好きとしては興味をそそられる起源。
ヴェーダって何?
バラモン教の経典に4つの主なヴェーダ(紀元前1000年頃から紀元前500年頃にかけてインドで編纂された宗教文書の総称)があります。
「リグ・ヴェーダ(神話集)」、「サーマ・ヴェーダ(インド古典音楽)」、「ヤジュル・ヴェーダ(神々への呼びかけ)」、「アタルヴァ・ヴェーダ(呪文集)」があり、ヴェーダから生命に関する知識を集大成したが『アーユルヴェーダ』とのこと。
呪文集のアタルヴァ・ヴェーダが面白そう。
その後、アーユルヴェーダの体系が作られます。その適用範囲は医療にとどまらず占星学、天文学、哲学、心理学、神智学にまで及び、これらをまとめたものを「チャラカ・サンヒター」と呼びます。
このチャラカ・サンヒターによると、ヒンズー教の天界の王であるインドラに健康と長寿の秘訣について学んだとか。
インド国内では永らく主要な医療として人々に親しまれていましたが、イギリスの植民地時代において、西洋医学が流入。消失の危機にさらされます。
1970年代後半から先進諸国で東洋医学が注目されはじめ、ヨーガや瞑想が世界に広まります。これらの考えを主に広めたのはヒッピー達だと言われています。
アーユルヴェーダの基本的な考え
アーユルヴェーダでは、まず宇宙がが5元素で成り立っていると考えています。
その5元素とは、空、風、火、水、地。
そして、人間の身体もこの5元素が組み合わせから出来ていると説きます。ヤバい、宇宙観から始まっているアーユルヴェーダ、ヤバい。
この5元素というのは原子や分子というモノではなく、作用や状態を指すようです。例えば、こんな感じで説明されています。
空が動いて風を作る
風の摩擦で火が起こる
火は溶かして水を作る
水は結合して土をつくり
土が一番重く物質を作る
状態の変化について語っているんですね。「水」を例に挙げてみましょう。水は凍った状態だと土属性です。火属性を加えると液体になります。さらに水蒸気に変えると、風の属性となり空に消えていく。こういった考えなんですね。諸行無常。全てはうつろうものということでしょうか。
ドーシャと気
アーユルヴェーダでは「ドーシャ」という考え方が出てきます。生命エネルギーと言われることが多いので、中国で言うところの「気」でしょうか。このドーシャ(生命エネルギー)は3種類あります。これによって、体質を大まかに分類しているとか。伝統医学ではこの体質論というのをよく見かけます。
ヴァータ(水と風)
痩せて落ち着きがなく創造的
ピッタ(火と水)
順応しやすく、楽天家
カファ(水と地)
身体が重く、反応がゆっくり
アーユルヴェーダのマッサージ
国内でも有名になってきたごま油マッサージですが、これもアーユルヴェーダの一部です。
マッサージのベースオイルには、実際に温かい胡麻油が使用されます。私も実践中で、太白ごま油はもう3本目。
胡麻油は皮膚に浸透しやすく、塗布すると発汗が促進され、さらにマッサージと成分の相乗効果で血流が促進されアンチエイジングの効果があるとされています。
ブログなどで見かけるごま油を使ったアーユルヴェーダですが、アビヤンガ(全身オイルマッサージ)、シローアビヤンガ(頭部と顔のマッサージ)、パーダビヤンガ(足のマッサージ)を一部を切り取ってアレンジしたものでしょうね。
ごま油を使ったオイルマッサージは、アーユルヴェーダの中でもごくごく一部のものに過ぎないということがこれでよくわかりました。