本国チェコ以外でスラブ叙事詩の全20作品が公開されるのは世界初!
大切なことなので、もう一度いいます。
ミュシャが16年の歳月をかけて制作した魂の超大作スラブ叙事詩が世界初公開!!!!!
それがなんとこの日本で観れちゃう。日本に住んでて本当に良かった。
この知らせを聞いただけで、少しうるっとしました。
これを実現された新国立美術館の学芸員の凄腕に感謝感激です!
許可されたエリアでは撮影可能!
スラヴ叙事詩は、最大で縦6m×横8mというかなり超巨大作品ということもあり、今後日本で観れる可能性は低いと考えて良さそうです。
この機会をお見逃しなく!
会期
2017年3月8日(水)-6月5日(月)
※火曜定休
場所
国立新美術館
2F 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 (Google Map)
http://www.mucha2017.jp/
アクセス
東京メトロ千代田線乃木坂駅
青山霊園方面改札 6出口(美術館直結)
都営地下鉄大江戸線六本木駅
7出口 徒歩約4分
東京メトロ日比谷線六本木駅
4a出口 徒歩約5分
チケット
ネットチケットがおすすめです。
http://www.e-tix.jp/mucha2017/
平日でも当日券売り場は長蛇の列でした。スマホとクレジットカードがあればどこでも3分で買えます。あとは展覧会場の入り口でスマホのQRコードを読み取ってもらうだけ。売り場に並ぶ必要もありません。
ミュシャって誰?
1860年7月24日 – 1939年7月14日
アルフォンス・マリア・ミュシャ(Alfons Maria Mucha)チェコ語で表記するとムハとも。アール・ヌーヴォーを代表する芸術家。
優美で装飾的なイラストレーションで女性を表現する作風はミュシャならでは。ミュシャのイラストを見たことがない日本人はまずいないでしょう。
スラブ叙事詩って?
ミュシャが50歳から16年もの歳月をかけて制作した壁画サイズの作品群。全20作品。最大サイズは最大で縦6m×横8m。
スラブ民族の苦難と栄光の歴史を「我が民族に捧げる」という信念で制作された超大作。
スラブ叙事詩の題材は、チェコおよびスラブ民族の神話や歴史を描いています。作品は主として卵テンペラ(一部油彩)。
しかし、完成したスラブ叙事詩の扱いはひどいものでした。民族意識の復興を願った作品であったものの、近代国家となった当時のチェコでこの作品は「過ぎ去った古臭い作品」として正当に評価されることはありませんでした。
ミュシャ存命中に全作品が展示されたのは1928年のたった一度きり。
信じがたいことですが、1960年代以降になっても、モラヴィア地方のモラフスキー・クルムロフ城にて夏期のみ公開。ほとんど人の目にふれることはありませんでした。
2012年になってようやく、プラハ市のヴェレトゥルジュニー宮殿で鑑賞できるようになり、多くの人の目に触れられるようになりました。
今、画家ミュシャ再評価の機運が世界的に高まりつつあります。
スラブ民族って?
スラブ諸語(ロシア語、ポーランド語のスラブ系言語)を使う人々の総称。ヨーロッパ諸民族中最大の民族集団。
多くは白色人種。大部分はロシアや東欧諸国に居住。
撮影可能エリアの作品
撮影可能エリアでは全5点を間近で撮影可能。
15.イヴァンチツェの兄弟団学校
17.聖アトス山
18.スラブ菩提樹の下で行われるオムラジナ会の誓い
19.ロシアの農奴制廃止
20.スラブ民族の賛歌
ミュシャ オススメの画集
徹底的に楽しむなら、この本を一度通読してから鑑賞されるのがいいです。
美しい装丁デザインを数多く手がける求龍堂から出版されてます。
少々難解なスラブ叙事詩をわかりやすく説明。またミュシャが活躍した商業アートのデザインも掲載されていますので、まさにミュシャ画集の完全版と言えそうです。
展覧会の予習と復習に是非!
感想
私がミュシャを好きになったのは17歳。その艶やかな女性の描き方や鮮やかなタッチと光彩が素敵でそれ以来、ずっとミュシャファンです。
いつか必ずチェコに行って観ると心に決めていたあのミュシャの魂の超大作スラブ叙事詩が日本でみられるなんて!ということで年度末で忙しい最中、半ば強引に有休をいただいて見に行ってきました。平日でもまぁまぁ混んでてびっくり。当日券売り場も長蛇の列。
実物を見た感想としては、卵テンペラで描かれているため、その色彩は非常に鮮やか。とにかく作品の巨大さとファインアートで鍛えた構図の美しさに圧倒されました。
ミュシャが好き!と言うと「あぁ、アールヌーボーのアレね」なんて鼻であしらう人が少なからずいます。また、商業アートのイラストレーターくらいにしか思っていない人もいます。そんな人はスラブ叙事詩の存在すら知らなかったり。。。ミュシャの本懐はこのスラブ叙事詩です。ですから、ミュシャの誤解を解く上でも今回のスラブ叙事詩はとてもいい機会ですし、私たち日本人も民族とは何なのかを一度考えてみるいい契機であるような気もしました。
ミュシャはこうも言っています。
いかなる国の未来も、その国が歩んできた歴史を知ることにかかっている。