勉強の息抜きにオススメの映画 「リスボン物語」

リスボン物語だなんて、なんだかパッとしないタイトルですが本当に良い作品です。仕事や勉強でカラカラに乾いてきたら、それこそこういう作品を一本観てみるといいと思います。

好きな映画と聞かれればいつも「海を飛ぶ夢」と答えるんですが、今度からは「あと、リスボン物語も!」と答えなくちゃいけなくなりました。この2作品を同列に並べることに違和感を覚える方もいるかもしれませんが、どちらも「芸術作品」という点では共通しています。思想よりも映像が、言葉よりも音楽が記憶に残る映像作品を挙げるのが私のやり方です。

といっても、映画はそんなに詳しくないんですけどね。




あらすじ


主人公はドイツに住む録音技師フィリップ。遠く離れたリスボンにいる友人の映画監督フリッツから作品制作の助けを求めるハガキを読み、録音機材一式をスーツケースに詰め込んでリスボンへと旅立つところから物語は始まります。録音機材一式の中身も中々面白い。

やっと思いで、ポルトガルの首都リスボンまで来てみると、手紙の差出人であるフリッツの姿がない。フリッツの部屋に残されていたのは、手回し撮影機で撮られたリスボンの街並。途中、ファドバンドのマドレデウスと知り合う(1985年にポルトガル・リスボンで結成され実在するバンド)。

フィリップはその部屋に住みながら、集音マイク片手にフリッツの撮影済みフィルムに音付けていく作業を黙々と続けて行く。ファドバンドのマドレデウスと交流を深めつつ、行方知れずのフリッツをひたすら待つ不思議な映画。

マドレデウスが奏でる guitarra は素晴らしいの一言。他にも Ainda や Alfama など、素敵な曲が目白押しです。聴き易くて飽きのこない不思議な曲調は、ポルトガルの民族歌謡の強い影響でしょう。




感想

作品全体としては、素敵な音楽と真実を含んだユーモアに富んだ素敵な作品。ところどころに彩色された活発なコバルトブルーの美しさ。リュディガー・フォーグラー(Rüdiger Vogler)演じる録音技師フィリップ・ヴィンターの格好良さというかお茶目さというか、大人になってすっかり閉じてしまった扉を次々と空けてくれる感じが堪りません。

何度も観ようと言う気にさせてくれる映画はそうないですからね!

Tips

この監督の経歴を見ていると、断念、挫折、失敗の文字が。。。だけど「絶対に諦めない人」だったんですね。ちゃんと道を探し続けて、ちゃんと見つけてます。

映画監督ヴィム・ヴェンダース
デュッセルドルフに生まれる。ギムナジウム卒業後、大学では医学(1963年 – 1964年)と哲学(1964年 – 1965年)を学ぶが断念し、1966年10月に画家を志してパリへ引っ越す。

高等映画学院(IDHEC)の入試に失敗後、モンパルナスにあるJohnny Friedlaenderのスタジオで彫刻を学ぶ。この頃、映画に魂を奪われ、1日5本以上もの映画を観る生活を送っている。

1967年、ユナイテッド・アーティスツのデュッセルドルフ・オフィスで働くためにドイツに帰国後、秋にはUniversity of Television and Film Munich(Hochschule für Fernsehen und Film München, HFF)に入学し、1967年から1970年にかけては『FilmKritik』誌、『南ドイツ新聞』、『Twen magazine』誌、『デア・シュピーゲル』誌で映画批評に取り組む。大学卒業までの間に、16mmモノクロで撮影された長編映画『都市の夏』の他数本の短編映画を完成させている。

その作風から見て取れるように、多方面からアメリカ文化の影響を受けている。『都会のアリス』『まわり道』『さすらい』などを発表し、小津映画の影響の覗える傑出した風土描写で、一躍ロードムービーの旗手となる。ニュー・ジャーマン・シネマの開拓者としても注目を浴びている。

1982年、『ことの次第』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞した。

1984年、『パリ、テキサス』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した。

1985年、小津安二郎に捧げる『東京画』を製作。

1987年、『ベルリン・天使の詩』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。

2008年、村上龍の『イン・ザ・ミソスープ』を原作とした『The Miso Soup』を手掛けることが報じられた。

2012年、20年に渡って企画を練っていた『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011年)が第84回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

-wikipediaより引用-



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