愛器のEwald Sommerを購入して約1年。先生にも、そろそろメンテナンスに出した方がいいよと勧められ、調整に出すことに。チェロにメンテナンスが必要な理由としては、下記5点。
- 弓の毛は消耗品。毛替えは半年に1回
- 弦は消耗品。1年に1回張り替えること
- 魂柱がずれていると音が響かない
- 駒の位置がずれて正しい音程を得られない
- 板を接着しているニカワ(接着剤)が剥がれることがある
確かに、最近音が響かないなと思ったり、弓の毛替えも半年前にしたきりだし、ここは専門家に細かくチェックしてもらおうということで、とある弦楽器工房へ自分の楽器を出してみることに。
剥がれなどはなく楽器の状態に問題はありませんでしたが、深刻だったのは「駒」と「魂柱」のズレ。調整がかなり必要とのこと。それもそのはず。駒と魂柱の二つがしっかり連動してはじめて楽器の持つ性能が最大限引き出されます。この二つがちぐはぐだったりすると、音が良く鳴らないそうです。
駒
4本の弦を支える木材。弦の振動を表板に伝える重要な役割。ペグやアジャスターでチューニングを繰り返すことで変形したり傾いたりするので、定期的に状態を確認する必要があります。
魂柱とは?
見た目はただの棒切れですが、魂柱と呼ばれるのにはそれなりの理由があります。f字孔から、チェロの中を覗き込むと、真っ直ぐな木の棒が立っているのが見えるんです。これを魂柱と呼びます。表板の振動を裏板に伝える役割を果たしており、この位置ひとつで音の鳴りが変わってきます。この魂柱は、接着等で固定されておらず、表板と裏板に突っ張った圧力のみで立っています。
メンテナンス費用は¥37,660
金額の内訳は下記の通りです。
- 魂柱交換 ¥8,000
- 駒調整 ¥3,000
- 弓毛替え ¥7,000
- 弦(LarsenA) ¥3,710
- 弦(LarsenD) ¥4,900
- 弦(SpirocoreG) ¥3,920
- 弦(SpirocoreC) ¥4,340
調整後のチェロを弾いてみて
修理で帰ってきた楽器が本当に自分のものかと疑うほど、よく鳴るようになりました。素人の耳にもわかるほどはっきり違います。これには驚きました。
弓で一弾きする度に楽器全体が大きく振動して、以前よりも音の余韻が長く残ります。裏を返せば駒と魂柱の位置が良くないまま練習していたということです。。。工房の方に伺ったところ、湿度と気温が大きく変わる夏と冬にそれぞれ1回はメンテナンスした方が好ましいとのことでした。
よく鳴る楽器だと練習へのモチベーションもぐっと上がりますよね。メンテナンスの大切さを勉強させていただきました。