​ロイヤルホスト24時間営業廃止と人間らしい生活

​ロイヤルホスト24時間営業廃止と人間らしい生活

ファミリーレストランのロイヤルホストが来年2017年1月までに24時間営業を止めると発表しました。さらに早朝や深夜の営業時間短縮、定休日の導入まで検討しているとのこと。

「客も利益も少ない」ので、商売として割に合わないから止めるだけでしょといった意見はごもっとも。けれども、ロイヤルホストが単純に24時間営業をやめるだけではないところ着目していきたいです。

ネットの反応は大半が歓迎ムード。「人間らしい生活」という言葉が数多く見受けられました。

ロイヤルホストではランチタイムや夕食時間などに多くの人員を配置し、サービスの充実を図るとのことなので、私も食べて応援したいと思っています。定休日は是非とも導入してくださいね。

ロイヤルホストは労働者に配慮した企業という地位を築いていってもらいたいと思っています。

日本マクドナルドでも、24時間営業の店舗が2014年には1840店ありましたが、2016年の9月末には809店まで減らしています。

24時間営業は1975年から

日本国内における24時間営業のスタートはセブンイレブンです。1975年に24時間営業を本格的にスタートさせました。その後、24時間営業というスタイルは拡大の一途をたどります。この時期がどんな時代だったか見ていきましょう。

  • 1971年:マクドナルドの日本1号店が銀座に開店
  • 1975年:セブンイレブン24時間営業を本格スタート
  • 1977年:アップルコンピュータ設立
  • 1979年:SONYウォークマン販売
  • 1982年:笑っていいとも放送開始
  • 1983年:インターネット誕生
  • 1984年:ドラゴンボール連載開始
  • 1991年:バブル景気スタート
  • 1986年:天空の城ラピュタ上映
  • 1988年:東京ドームが完成
  • 1989年:昭和から平成へ。消費税開始。
  • 1991年:バブル崩壊

1970年代から24時間営業というのは存在していたのは驚き。また、24時間営業発祥のコンビニ業界で再編が進んでいるのもコンビニの在り方が問われているのでしょう。

人間らしい生活ってなんだろう

深夜時間帯は、お客さんも来ないし、店員も人手不足となれば、24時間営業する意味なんてないですよね。ただ、この社会的動物である人間たちの動きに大きな変化が出てきていることも見逃してはいけません。

深夜営業のお店というのはコンビニであれ、ファミレスであれ、スーパーであれ、サービスは良くありません。

客層ももちろん良くない。これが負のスパイラルを加速させます。この負の流れがひとつのうねりとなって、今回のような形になったのかなとも思えます。

哲学者ニーチェの有名な言葉に「神は死んだァーーーーーーーーー!」というのがあります。お客様は神様だという考え方が日本でも死につつあるんでしょう。毛細血管のように隅々わで行き渡った神経質なサービスが終焉を迎えつつあるのです。これは歓迎すべきこと。

今回のようなニュースを聞くと、労働とは何かについて考えさせられます。

深夜勤務というのは、想像以上に体に負荷がかかります。

夜勤のみの働き手は、自律神経の失調、ガンや心臓病などの生活習慣病のリスクにさらされやすくなると言われています。

割高な給与と引き換えに、労働者は自分の健康も差し出していることに。。。

便利を追及することは悪ではありません。けれども、便利を過剰に追及すること=人間らしい生活の実現ではないでしょう。

人間らしい生活とは、「自分だけの」生活を指すものではありません。

だれかがネットで「人間らしい生活」と言った時、それは他者に対する思いやりをも含んだ言葉だと思えないでしょうか。

便利の追及が人間らしい生活であることを謳う広告やCMは多いですが、この二つに何の関係性もありません。

便利の追及は他者に配慮しないエゴイズムの追及です。働き手を苦しめるようなサービスをあなたが求め続けるなら、巡り巡って働き手としてのあなた自身が苦しくなるでしょう。