正規雇用と非正規雇用

「仕事」というものを改めて考え直してみるコーナーです。問題を矮小化して、対立を煽る風潮が強くなってきています。男女の対立、若者と老人の対立などなど。今回は雇用に関する正規、非正規に焦点を当てていこうと思います。

正規雇用

特定の企業などと継続的な雇用関係にあり、雇用期間を定めない雇用形態。その他のメリットを挙げてみましょう。労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、健康診断、賞与(ボーナス)、昇給、退職金、昇進、教育訓練、有給休暇、育児・介護休業があります。

なるほど、これだけ保証されていれば正社員に対する憧れも強くなります。

非正規雇用

有期雇用。早い話が、首を切りやすい雇用形態。正規雇用の多くが年齢給であるのに対し、非正規雇用は職務給(昇給無しの同一労働同一賃金)という扱いが多い。終身雇用が見直されていくなかで、労働力の調整弁として企業からは歓迎されている。社会的に差別されることもしばしば。正規雇用と比べると、賞与がなく、昇級もなく、退職金もなく、昇進もありません。あるのは、「雇用期間」です。ウチはボーナス無いよ!というところもあるかもしれませんが、概ね

正規、非正規の境界線が消滅する日

正社員と派遣社員
少し考えてみると、非正規雇用が増加する一方で正規雇用の立場も弱くなってるんですよね。ホワイトカラーエグゼンプションや、準社員が何に向けて準備されているのかを一度考えてみる必要がありそうです。お互い憎み合ってるのに、気付いたら一つの穴の中に放り込まれているかも。

蔓延する派遣社員差別

一番衝撃だったのはネット上に溢れる非正規に対する差別侮蔑軽蔑の言葉です。

非正規雇用の問題はいろいろありますが、特に問題なのが派遣社員という雇用形態です。これは人の心を巧みに利用したガス抜きです。こんなことが一昔前もありませんでしたか?士農工商です。もう一歩踏み込んでの発言は差し控えますが。。。まず階級を設けます。そして、小さな柵の中で相互補完関係でありながらも、常に緊張状態が生まれるようにするあのやり口です。

この心理を悪用したやり方が派遣制度のような気がしています。派遣社員の人は常に正規社員の人と一緒に仕事をします。目の前には雇用期限が無く、交通費が支給され、昇給があり、ボーナスがあり、福利厚生が充実した待遇のいいと思われる相手がいます。そんな相手を前にして、彼らの仕事に対する気持ちは晴れ晴れしているといえるでしょうか?

対して、正社員の人の心理はどうでしょう。派遣社員の権限では出来ない仕事が沢山あります。それを正社員の人たちは常にさばいていかなければいけません。派遣社員は労働時間が短いことが多いので、残された仕事を正社員の人が取り組む場合もあります。正社員の人たちから見れば、派遣社員が自分たちよりも随分楽をしているように思えるはずです。

もちろん例外はいくらでもあります。ウチの会社は仲良くやっている!!という所もあるでしょう。けれでも、ルールが一度嵌められるとそのルールの中で大きな流れが自然と出来てきます。

本当にグロテスクなものは目に見えない

サン=テグジュペリの星の王子様で、「大切なものは目に見えない」というセリフがありますが、私はそうは思いません。本当に大切なものははっきりと目に見えます。むしろ、本当に恐ろしくてグロテスクなものが目に見えないのです。目の前の人を憎むように仕向けているのは一体誰なのかを時には考えてみることが大切です

より詳しく知りたい方は、厚生労働省が「非正規雇用」の現状と課題でまとめているので参考にしてみてください。