チェロを習うまたは独学で勉強するにしても、向き合っていかなければいけないのが、チェロの教則本だと思います。
私は体験レッスンも含めて3人のチェロの先生に教わった経験がありますが、どの先生も違う教則本を勧めてくるので、教則本については散々ネットで調べてみました。
今回はチェロ初心者(レイトスターター)にとってポピュラーな教則本3冊をご紹介します。
ウェルナー・チェロ教則本
チェロの教則本と言えば、筆頭に上がってくるのがウェルナー。
音階練習や練習曲は、どれも耳心地のいいものばかりで、弾いてて楽しくなるのは間違いなくウェルナーです。
しかしながら、ネットの情報を見ていくと、ウェルナーはもう時代遅れの非効率な教則本だとか。
実はこの記事を読んだ時に、私も思い当たるフシがありました。
ウェルナーという教則本が、チェロという楽器の特性を把握して作れたか?と問われると少し疑問が残ります。
というのも、弦楽器はピアノや管楽器のように運指があるわけではなく、またギターのように音程を教えてくれるフレットもありません。
左手の指の開きや移動に音程正しさが強く依存します。
つまり、弦楽器は音程が狂いやすいのが特徴であり個性でもあります。
この音程の狂いやすさを克服するためのメソッドへの意識が希薄なような気がするのです。
チェロというより、どの楽器にも通用する音階練習をやらされているように感じてしまいます。
ですから、子供のように耳コピで音程が把握出来ないレイトスターターがウェルナーを勉強してくと、必ずつまずくと思います。
もし、レイトスターターの方でウェルナーにつまずくのであれば、おそらく指は猿回しのように動いていても、音程やブリッジがガチャガチャで先に進めなくなっているというのが現状ではないでしょうか。
鈴木メソード
独習するならこの1冊でしょう。
最大の特徴は「CD音源付」という点です。これが、大人になってチェロを始めたレイトスターターにとってどれだけ心強いことか! リズムや音程を教えてくれるのですから、通勤時間などを利用して勉強に励めますし、楽譜を読むのに四苦八苦している方の助けにもなるでしょう。
スズキと名前が付いていますが、世界的にも浸透しつつある教則本で、こちらもチェロ教室などでよく勧められる一冊です。
中身自体に賛否両論あるようですが、スタンダードとしての地位を確立しているのは、間違いありません。
初心者向けは1巻〜3巻(全8巻)。
ただ、童謡など子供っぽいメロディが苦手な方は、モチベーションを削がれる可能性があります。
サポージニコフ
私が現在メインで使用している教則本です。
私はこの教則本が一番好きです。
この本の特徴は、チェロという楽器の特性をよく考慮しているなという点です。
最初の数ページは徹底して左手の第1ポジションの練習させます。
しかも同時並行してブリッジの運指も行うので、チェロの音程の軸を徹底的に作り上げることを目的としています。
チェロ練習においてもっとも合理的。
ソ連の児童音楽学校用に使われた教則本のため、ウェルナー教則本と比べるとなんだか寂しげなメロディと感じるのは私だけでしょうか。