教養と一口に言っても、その定義は幅広く、何を以って教養があると言えるのか難しいのが正直なところ。
また、ネットで教養の書籍を検索していくと、どうしてもビジネス系の啓発書に行き着いてしまうので、検索側の意図するものからズレているように感じます。
もちろん、この5冊だけでホンモノの教養が身につく!なんて恐れ多くて言えません。
ただ、ネットで教養を検索してくるユーザーが求めるものはこの辺じゃないかと思って5冊に厳選してご紹介。
まず、「教養を身に着けたい」とネットで検索する人は、次の3パターンに分類できると思います。
パターン1 社会人として最低限の教養を学びたい
【1冊目】 これだけは知っておきたい!大人の常識力大全
【2冊目】 世界を変えた10冊
パターン2 ちょっとインテリぶりたい
【3冊目】 史上最強の哲学入門(西洋哲学編)
【4冊目】 史上最強の哲学入門(東洋哲学編)
パターン3 未来をカッコよく哲学したい
【5冊目】 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
パターン1 社会人として最低限の教養を
社会人として知らないと恥ずかしい知識を身につけることを最低限の教養と考えるのは当然です。
社会生活を営む上では、とかく目上とのやり取りが増えてきます。
ふとした会話の中でも教養の有無というのは露呈しやすいもの。
Wikiや検索エンジンなどで、なんでも知れるような錯覚に陥ってしまいがちですが、体系的な知識を身に着けるという点ではネットは不向きです。
普段からネットに接していれば自ずとわかってくることですが、ネットの情報は細切れで全体を見渡すことに不向きです。
ネットは論理的というよりは、感情的なメディアではないかなと思うのです。
試しに、雑誌や新聞をコンビニで買ってみてください。情報のまとめかたという視点でははるかに練度が高いメディアであることを実感出来るはずです。
社会人として読破しておきたい2冊はこれ!
【1冊目】 これだけは知っておきたい!大人の常識力大全
政治、経済、社会、暮らし、礼儀作法、食、お金のことなどが項目別にコンパクトにまとめられています。
例えば、政治カテゴリでは「小さな政府と大きな政府」の違い。経済カテゴリでは「連結決算とは?」。食のカテゴリでは「食品添加物のキホン」、お金のカテゴリでは「仮想通貨ビットコインって何?」などなど。
普段の生活やニュースなどで見聞きするちょっと言葉で解釈が曖昧なものを噛み砕いて紹介してくれています。
【2冊目】 世界を変えた10冊
あの池上彰さんんが、中東問題、頻発するテロ、宗教、労働の問題など、世界中で起きている問題から、私たちに直接関わることまで世界を変えた10冊の本をベースにわかりやすく紹介してくれます。
この考えが正しい!ということではなくて、こういう考え方もあるという紹介の仕方でとても読み応えがあります。紹介されている10冊は下記の通り。
- アンネの日記
- 聖書
- コーラン
- プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
- 資本論
- イスラーム原理主義の「道しるべ」
- 沈黙の春
- 種の起源
- 雇用、利子および貨幣の一般理論
- 資本主義と自由
パターン2 ちょっとインテリぶりたい
知的好奇心が旺盛な人は、このパターンに当てはまるような気がします。
「その意見だけど、〇〇時代にすでにこういう考え方があって、今の時代の潮流はこれに起因するものなんだよ云々」
普段何気なく使っている言葉や習慣がどこからきているのかを知りたい人。確かな知識に裏付けされた話題でドヤ顔したいですよね!
ちょっとインテリぶりたい人におすすめの2冊はこれ!教養を土台として、自分自身で考えるチカラを養ってくれる2冊です。体系的で読みやすさとしては、これに比肩するものを私は知りません。まさに史上最強の哲学入門書です。
本書のコンセプトは明確。
「より強い論を求め、知を戦わせてきた男たちの情熱の物語」という視点で書かれており、世界の名だたる哲学者たちが論戦を繰り広げます。西洋と東洋の2冊を併せて読めば、文字通り某巨大掲示板のレスバトルで負けなしとなるでしょう(笑)
【3冊目】 史上最強の哲学入門(西洋哲学編)
- 神殺しニーチェだァ!
- 現象学の開祖フッサールだァ!
- 哲人王プラトン!!
- 超A級反逆児キルケゴールだ!!
- 共産主義の妖怪マルクス!!
- お尻を出した子1等賞、ルソーの登場!
【4冊目】 史上最強の哲学入門(東洋哲学編)
- 古代インド史上最強の哲人 ヤージュニャヴァルキヤ!
- 無我の境地 釈迦!
- 大乗仏教の最終兵器 龍樹!
- 不遇の儒教教祖 孔子!
- 強肉弱食 墨子!
- 脱力最強の大哲学者 老師!
パターン3 未来をカッコよく哲学したい
上記に紹介した4冊は過去から現代までの人類の考えを手軽に体系的に知るにはいいものでしょう。
でも、本当の教養というのは、未来を読み取る力を持っていることだと私は考えています。
2017年5月、世界一の棋士である柯潔(カケツ)がGoogleの開発したAlphaGoに負けた時、ついにAI時代の到来が高らかに宣言されたと私は思っています。
彼らは与えられた材料から独自に考え、独自の答えを導きだします。「人間としての教養」を身に着けるのであれば、現代人はもうAI(人工知能)と向き合わなければいけません。彼らとの関係に私たちの未来がかかっているのです。
ということで未来を読む力を養いたい人におすすめの1冊はこれ!