ブッダのことば―スッタニパータ|快も不快も執着でしかない。犀の角のようにただ独り歩め。

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快も不快も執着でしかない。犀の角のようにただ独り歩め。 ブッダのことば―スッタニパータ

久々にエキサイティングな本に巡り合いました。

就寝前の読書には最適な一冊。完全に理解出来たわけではないので、今2回目を読んでいるところです。心が洗われるといった生易しいものではありません。

これほど丁寧で研ぎ澄まされた言葉(本当によく切れるという意味で)に出会うことは日常生活の中ではあまり無いような気がします。

私にとってはかなり痛みを感じる内容。心に新しい痛みを感じるからこそ、価値があると言えるかもしれません。

スッタニパータとは?

仏教は、約2500年前(紀元前5世紀)にインド北部ガンジス川中流域で、発生した(初期仏教)。

ゴータマシッダールダが瞑想によって悟りを開いとされています。

他の世界宗教と異なる点は、自然崇拝や民族宗教などの原始宗教をルーツに持たないことにあります。

スッタニパータ(パーリ語)は「スッタ」は「経」の意、「ニパータ」は「集まり」の意。あわせて「経集」の意になるそうです。

最古の原始仏典の一つで、パーリ語経典としてはお釈迦様の語った言葉にかなり近い形で残されていると言われています。

ただし、この内容はブッダの死後100年後に弟子たちがまとめたもの。また、完全な漢訳も存在せず、中国から仏教を輸入した日本仏教にはごく一部を除いてスッタニパータはありませんでした。この点がとても驚き。

仏教が高度な学問として大きく枝を広げる前の素朴な言葉が並んでいます。

また、本書はその半分近くが中村元先生の丁寧な註で構成されており、読み手を助けてくれます。

ヒンドゥー教とバラモン教とジャイナ教

私のような初学者はすべての言葉を理解できません。本文や註を読んでいるとインドにおける三宗教への理解が必要だと判読できます。

その三宗教とは次のようなものです。ヒンドゥー教の身分制度や、祭祀を通じて神々と権限を持っていたバラモン教、一切を所有しない厳しい戒律で知られるジャイナ教。

ミニマリストの方々はジャイナ教を調べてみると面白いと思いますよ。

この辺りは中村元先生の古代インドという本に詳しく書かれているので、機会をあらためて読もうと思っています。個人的には聞きなれないジャイナ教にすごく興味があります。

繰り返す締めの言葉と輪廻転生

第1章蛇には、何度も同じ言葉が繰り返し出てきます。

・蛇が脱皮して旧い皮を脱ぎ捨てるようなものである
・犀の角のようにただ独り歩め

少し抜粋してみましょう。

内に怒ることなく、世の栄枯盛衰を超越した修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。 ──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

貪ることなく、詐ることなく、渇望することなく、(見せかけで)覆うことなく、濁りと迷妄とを除き去り、全世界において妄執のないものとなって、犀の角のようにただ独り歩め。

とにかく繰り返しの言葉と繰り返す生(輪廻転生)という考え方が所々で交差しているような印象です。ブッダを最後の身体に達した人という表現が出てきますが、こういった視点の言葉は普段から、輪廻転生という言葉に慣れ親しんでいないと出てこないですね。もう生まれ変わることがない、だから最後の身体に達した人ということなんですね。

仏教については勉強を始めたばかりですが、こういった原始仏教をネットなどで調べていくと、難解な言葉や複雑に入り組んだインドの宗教史などが邪魔をしてきます。まずは素直にスッタニパータとダンマパダの2冊を繰り返し読み耽ってみようかなと思っています。

犀の角のようにただ独り歩めとお一人様文化の勃興

現代の日本は、高度な医療があり、多種多様な楽しみがあり、人に聞かずとも情報はいくらでも手に入ります。裏を返せば、たった独りで生きることが可能です。この状況がいいか悪いかは別として、とにかく「独り」で生きるということを選択する人、選択させられている人たちが増えているような気がしないでもありません。

これは時代の潮流というか、独りで歩ませるための社会状況が外堀から着々と埋まっていく中で、私の中でなにかとてつもない寂しさというか冷たさを感じたりもするのです。つまり、資本主義によって半ば強制的に「独り」で歩む世界が作られつつあるのではないかと。それに対置させた考え方が必要で、それを約2500年前にブッダが用意しておいたなんて考えてみるのも面白いような気がしました。

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“おやゆび文鳥”

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