「ホロドフスキーのDUNE」はまさしく予言の書

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「ホロドフスキーのDUNE」はまさしく予言の書

彼の最新作、「リアリティのダンス」は渋谷のUPLINKで鑑賞させていただきました。リアリティのダンスは、子供の頃の思い出がそのまま映像化されているような美しさがあり、とても良かったです。


リアリティのダンスと同時上映でこの「ホロドフスキーのDUNE」も上映されていたように記憶しています。

当時は、「ホロドフスキーのDUNE」を見ようとは思いませんでした。だって、映画監督のドキュメンタリーなんて面白くないと思ったからです。

ただ、少し時間を経て「ホロドフスキーのDUNE」の企画書の表紙デザインが頭を離れず、少しは観てみようという気になりました。

映画監督は映画をつくる人

映画監督はやっぱり映画をつくる人。「ホロドフスキーのDUNE」は3回くらい中断しながら、やっと鑑賞を終えた時に出てきた感想です。

映画監督のドキュメンタリーにはやはりなにか欠けたものがあります。

絵を描かない画家がその絵を誰かにみせることは出来ないように、アイデアを語るだけの映画監督も存在しないのです。

DUNEが映画化されなかった理由なんて、鑑賞者にはどうでもいいのです。ですから、DUNEの映画を撮影したのは、経緯はどうであれ監督デヴィッド・リンチただ一人です。

ホロドフスキーが考えるDUNEは純粋で純潔な美しいアイデアでした。

アイデアについては、本当に素晴らしい。ただ、そういう純粋なものを俗に下ろす方法をホロドフスキーは頑なに拒否しました。

自分のやり方に固執し過ぎたのです。魂を売り渡すことだと。

しかし、映画監督が完成されなかった映画について、ドキュメンタリーで延々と述べるという行為も、DUNEの魂を他者へ売り渡すことではないかと私は考えてしまいます。

なぜ、数分でもトレイラーを撮影しなかったのか、不思議でなりません。

本当にハリウッドが彼の才能を恐れたのか?

彼の喋り方を聞いていると、私の好きな芸術家ジャン・コクトーを彷彿とさせます。ホロドフスキーの不思議な魅力に取り憑かれて、名だたる人物が集まったのは驚くべき事実です。

皇帝役として画家のサルバドール・ダリが出演予定でしたし、ローリングストーンズのボーカルだったミック・ジャガー、エイリアンのデザインの生みの親であるハンス・ルドルフ・ギーガーもDUNEのデザイナーとして数点の素晴らしい絵を残しています。

また、大友克洋や宮崎駿、手塚治虫、松本大洋、藤原カムイなど日本の漫画に強烈な影響を与えたとされる漫画家メビウスもこの企画に深く関わっていました!

ドキュメンタリーの中では、映画会社からの出資を得ることができず制作を断念せざるを得なかったと説明されていますが、それだけではないでしょう。

上映予定時間は15時間〜20時間。かかる費用は当時金額で5000万ドル。大勢の排泄シーン(リアリティのダンスでは放尿シーンがあります)も撮影される予定でした。

このリスクをハリウッドが取るとは思えません。大衆映画ではなく、やはり大金をかけたカルト映画の色合いが濃いと言えそうです。

実現したとしても、興行としては大失敗したでしょう。

ホロドフスキーのDUNEの見どころ

いいところもあります。
超一流のデザイナー、イラストレーターが集ったということもあり、数点のイラストについては息を呑むような美しさです。これは必見。

また、ホロドフスキーの人を惹きつけるテンポのいい喋りは、めちゃくちゃ元気をもらえます。

ホロドフスキーが真の戦士を育てるっ!と言って、実の息子に武術や東洋思想を学ばせたりします。2年間、毎日6時間の修行をリアルでやらせてます。

成長した息子さんの神々しい眼差しや佇まいには驚きました。これ本当にすごい。また、表情だけでなく彼の話す内容も独特です。

DUNEに登場する主人公ポールがホロドフスキーの横に座っているのです。

あの紫の企画書「DUNE」は現実としてまだ姿を現していないことから、まさしくホロドフスキーの予言の書かもしれません。

ホロドフスキーの想いを引き継いで映画化できる人物が今後現れてくれることを切に願ってます。

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“おやゆび文鳥”

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