『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』と2045年問題

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映画ブレードランナーの原作となった『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』

1968年に書かれたこの作品が世界の注目を浴びるのは、その14年後の大ヒットSF映画『ブレードランナー』によるものです。

『ブレードランナー』の原作であることはかなり前から有名ですが、この映画が大成功を収めなければ、原作に光があたることは無かったかもしれません。

あらすじ3行

核戦争で荒廃した未来の世界で
賞金稼ぎがアンドロイドをやっつけて
ホンモノの動物を買う話

原作は哲学的問いかけをふんだんに含んでいる

映画ブレードランナーは万人向けに作られており確かに面白いです。

ただ、その一方で原作の持っていた哲学的要素を大分そぎ落とした内容となっている為、大筋のストーリー展開以外はかなり違います。

原作者であるフィリップ・K・ディックが私たちに宛てた手紙なのでは?と思えてくるような、哲学的テーマを含んだ内容です。

簡単に言ってしまえば、人類に反旗を翻したアンドロイドをレーザー銃でズキューンしていく内容。

けれども、主人公のリック・デッカードは、アンドロイドたちを「処分」していく過程で、人間そっくりに作られているアンドロイドたちに感情移入し苦悩します。

タイトルで語られている「電気羊」というのは、主人公のリック・デッカードが飼っている機械仕掛けの動物を指しています。

ホンモノの動物が特別な価値を持つ時代に、彼はアンドロイドを処分した賞金でホンモノの動物を買おうと試みます。

このホンモノという概念が最後の最後になってボヤけてきます。

果たして何がホンモノなのか?

フィリップ・K・ディックは、人間とアンドロイドの生物学上、あるいは自然科学上の区別は全く無意味だと唱え、ただ「親切な存在はすべからく人間」であり、岩や木切れや金属から区別している唯一の特質であると語っています。

この点が非常にユニークで、この考え方をあらゆるモティーフを使って前面に押し出したのが本作ではないかとも思いました。

ちなみに、アンドロイドという言葉の意味は、ギリシア語のandro-(人、男性)と接尾辞-oid(-のようなもの、-もどき)の組み合わせで、人に似せて作られた存在を指します。

人間もどきと捉えると不気味さが増してきますね。

シンギュラリティ(技術的特異点) の危険性

2045年問題とも言われていますが、コンピュータ技術が、今のペースで発達し続けると、2040年-2050年の間に人類の知能を超える、究極の人工知能が誕生すると言われています。

人工知能(AI)のニュースが当たり前に流れてくるようになった現代。

Googleの開発したAlphaGo(アルファ碁)が、2015年10月に、韓国のイ・セドル九段を4勝1敗で下したことは大変な話題になりました。

『人工知能』が支配する近未来。 手元にあるiPhoneでさえ、簡易的な人口知能Siriを搭載していて私たちと会話するようになっていますよね。

当初のSiriと比べると語り口や理解は恐ろしく滑らかになりました。

日本マイクロソフト開発した女子高生AI「りんな」は普段の会話のように話しかけると女子高生のような口調で反応してくれます。

また、Windows10には音声アシスタント機能の「Cortana(コルタナ)」が搭載されています。

作中でアンドロイドを生産しているローゼン協会という独占企業があります。

今、このローゼン協会なるべく世界の名だたる企業が凌ぎを削っているところです。

2045年に生まれるAIはフィリップ・K・ディックの語った「親切さ」を持ち得るのでしょうか。








“おやゆび文鳥”

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