【TED】アンドリュー・ソロモン: 鬱、私たちが共有する秘密

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【TED】アンドリュー・ソロモン: 鬱、私たちが共有する秘密


私が興味を持っているテーマのひとつに鬱があります。その理由というのは、鬱でいなくなってしまった人を何人か知っているし、またそういう萌芽が生まれつつある人を何人か知っているからです。私自身も前職で相当追い込まれたこともあり、メンタルヘルスというか自分自身の心の有り様については常に注意を払うようにしています。もちろん、このテーマの明確な答えはこのプレゼンテーションでも出ていませんが、貴重な手掛かりのひとつと成り得るという思いから紹介させていただきます。

さて、今回のプレゼンターのアンドリュー・ソロモンは作家という立場から彼自身が患った鬱を冷静に観察した貴重な経験を語ってくれます。冒頭が印象的です。

「私は頭の中で葬式を感じた 会葬者たちがあちこちと 歩き回り、歩き回ってとうとう 意識がぼやけてしまった 会葬者たちが席に着くと 太鼓の音のような弔いが うち響き、うち響いてとうとう 心つきが凍ってしまっかた その時棺つきが持ち上げられ 私らしのロゴ魂こちらを横切っていつものロゴ 鉛のロゴ靴つきが詩音こちらをたてて通り過ぎかた するとあたりで鐘が鳴りだした まるで天国がひとつの鐘になって 存在が耳と化したような感じ 私と沈黙はここでは 打ちひしがれたよそ者なのだ その時理性の板が壊れ 私は下へ下へと落ちて行った そして落ちるたびに別の世界にぶつかり とうとう何もわからなくなった」



私は頭の中で葬式を感じた(I felt a funeral in my brain):ディキンソンの詩から

この言葉を聴いて、私はヴィム・ヴェンダース監督のベルリン天使の詩で登場する自殺する若者のシーンを何となく思い出しました。

「妄想が真実を押し潰すことがある」という彼の考え方が終始漂っているプレゼンテーションです。暗い気持ちになるかもしれません。ただ、彼が試みた鬱病患者へのインタビューやその中で出て来る治療の話はとても為になりました。

プレゼンテーションの最後に彼自身が掻き集めた鬱に対する智慧の結晶が語られます。誇張でも演出でもない、素朴で至極真っ当な言葉で。

Tips

エミリー・ディキンソン

アメリカの詩人。(1830年12月10日 – 1886年5月15日)生前は無名であったが、1700篇以上残した作品は世界中で高い評価を受けている。冒頭でソロモン氏が彼女の詩が語られている。「私は頭の中で葬式を感じた(I felt a funeral in my brain):ディキンソンの詩から」

フランシスコ・デ・ゴヤ

スペインの画家。(1746年3月30日 – 1828年4月16日)
飾られている絵は巨人(エル・コローソ)。また、ゴヤと聞いて連想される暗いイメージの作品は、通常「黒い絵」と称される。1819年にマドリード郊外に「聾者(ろうしゃ)の家」と通称される別荘を購入し、1820年から1823年にかけて、この家のサロンや食堂を飾るために描かれた14枚の壁画群で、黒をモチーフとした暗い絵が多いため、黒い絵と呼ばれている。『我が子を食らうサトゥルヌス』が有名。

躁鬱病

双極性障害(そうきょくせいしょうがい、英: bipolar disorder)は、躁(そう)状態(躁病エピソード)およびうつ状態(大うつ病エピソード)という病相(エピソード)を繰り返す精神疾患である。双極性障害の躁状態、うつ状態はほとんどの場合回復するが、再発することが多く、薬物投与による予防が必要となることが一般的である。








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