人間の際限ない欲をブラックユーモアに乗せてえぐり出す。星 新一の『妄想銀行』

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妄想銀行-星 新一-

著者について

星新一 Hoshi Shinichi(1926-1997)
東京生まれ。東京大学農学部卒。1957年(昭和32年)、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショート・ショートという分野を開拓。1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者。SF以外にも父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学などを執筆。著書に『ボッコちゃん』『悪魔のいる天国』『マイ国家』『ノックの音が』など多数。 解説より引用

そもそもSFって何?

サイエンス・フィクション(英語: Science Fiction)の略。フィクション(英語: fiction)とは、作り事、虚構のことなので、科学と言いつつも、実際は時空を超えたり超能力があったりと何でもアリ。主に20世紀に盛んになった文学ジャンルです。古くは竹取物語からスターウォーズまでSFのジャンルの範疇に含まれるとも言えるでしょう。と考えると世の中の映像化されたものの半分近くはSFになるかもしれませんね。

読み終えて

NHKでの放送されていたアニメーションで星新一を知ったという方も多いのではないでしょうか? 2008年3月31日より、レギュラー放送が開始され、毎週3本ずつ放送されていたそうです(全75話+スペシャル2話)。

超短編SF小説である星新一のショート・ショート。SF小説というくくりではあるものの、イギリスのガリバー旅行記のような社会風刺的な表現もたくさん詰まっている作品。何よりも驚きなのは、ネットで読むのに適したショートショートという表現手法。一般的なネットの文字組みはどうしても横方向になりますよね。それ故に、長文を読むには適していないんです。ショートショートのような表現手法は、横組みでもストレスなく読み終えることの出来る程よいボリュームで、まさに未来のテクノロジーを予見したような表現スタイルと言えます。表現手法自体が、ある主のSFとも言えるのかな。

タイトルに妄想銀行とあるけれど、精神科医や精神分析という言葉がよく出てきます。ある種の妄想という雲の上に物語がそびえ立っているところは、さながらガリバー旅行記の空中都市やジブリのラピュタを彷彿とさせてくれます。そして、人間の際限ない欲をブラックユーモアに乗せてえぐり出しているところがまた魅力的。このあたりは、この本に収録されている『大黒様』などを読んでみると面白いかもしれません。本のタイトルとなっている『妄想銀行』などは、ブラックユーモアの極致ではないかと思えてきます。

かと言って、そればかりかというとそうでもないんです。『鍵』や『古風な愛』などは、人間らしさをやさしい眼差しで描き出しています。

長いお話でも400字詰原稿用紙で20枚程度ですので、普段本を読まない方でもすらすら読めると思います。小説というよりは、新しい詩の形式ではないかとすら思えてくるほど、独自の世界観が確立されているなと感じました。最初に収録されている『保証』から、ショート・ショートの世界にぐいぐい吸い込まれていくこと請け合いです!
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