淡々とした事実の進行描写が却って心に残る。井伏鱒二の『黒い雨』

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黒い雨 井伏鱒二

広島市への原子爆弾投下

広島市への原子爆弾投下(ひろしましへのげんしばくだんとうか)では、第二次世界大戦(太平洋戦争)末期の1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分に、アメリカ軍が日本の広島市に対して投下した原子爆弾。

これは実戦で使われた世界最初の核兵器である。この一発の兵器により当時の広島市の人口35万人(推定)のうち9万~16万6千人が被爆から2~4カ月以内に死亡したとされる。
Wikipediaより

黒い雨とは

黒い雨。これは、原子爆弾投下後に降った放射性物質を含んだ粘り気のある真っ黒な雨のこと。黒い雨は爆撃により発生した上昇気流と、爆弾が引き起こした火災による上昇気流が重なって起こると言われています。

この作品を読む前は、感傷的な色合いがかなり強いかなとも思っていたし、衝撃的な描写がずっと続くと覚悟していたけれど、そういう類の作品ではありませんでした。だからこそ、戦争から離れている私たちの世代にも非常に価値ある作品であると言えます。

読後の感想

詳細な話に立ち入るのは、この作品ではやめにします。内容を読んで感想を語るだけが読書感想文ではないですから。また、この作品はそういった書き方に向かないと思っています。読んでみてくださいとしか言えません。

私は空き時間に本を読んでいます。電車に乗っている時間が私の主な読書の時間。私の中で読書と鉄道は親密な間柄です。『黒い雨』を読んでいると、息を切らしたランニングウェアを着た若い男性が私の隣に座ったことがありました。彼はキラキラするランニングシューズを履いていました。

また、ある時は若いカップルが私の横に座って原宿で何を食べようかスマートフォンを見ながら楽しげに会話をしています。読書をするのはもっぱら都内の鉄道が多いですから、欧米の方と思われる方が横に座られることもしばしば。都内のJRの車両の座り心地はすごくいいですよね。走っている車両のほとんどが新しくて清潔です。

この国がどう復興を遂げたかはさておき、1945年(昭和20年)8月15日に日本は終戦を迎えました。

口から口へ伝わる体験は時間が経過するほど薄められていきます。たとえば、元寇が襲ってきた時の鎌倉武士の気持ちを察しろと言われても無理がありますよね。でも、311で被災された方の気持ちであれば、私自身も私の家族も被災しましたので想像することは出来ます。

中学生の時、こんなことがありました。戦争体験を語る老人がひとり、体育館で戦争体験を語ります。話の最後に質疑応答がありました。ある生徒が、老人に質問します。「人を殺した時はどんな気分でした?」と。当時は不謹慎な質問ということで教師に遮られてしまいました。また、老人もその質問に答えませんでした。

今思うと、その質問は悪意があったものの至極真っ当な問いかけでした。戦争は第一に殺し合いですから。戦地では食べるものがなくてひもじい思いをした、激戦の最中やっとの思いで引き上げてきたっていうのは戦争の外皮で、その実は殺し合いに参加してきたというのが一番平易な言い方ではないでしょうか。

あの老人がその質問に答えなかったということが、却って鮮烈な記憶として私の生活に入ってきて、戦争と聞けば必ずこのやり取りを私は思い出します。ということで、年内に私は広島に行ってみようと思います。

内容は追記予定です。

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