夢は呪いである・・・アルケミスト 夢を旅した少年

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夢は呪いである・・・アルケミスト 夢を旅した少年

アルケミスト 夢を旅した少年は1988年発表。ブラジルの小説家パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)の代表作。

世界的なベストセラーとして必ずあがってくる1冊。

ブラジル国内で20万冊を超えるベストセラーとなり、現在は38ヵ国の言語に翻訳されています。

アルケミスト (alchemist) は、錬金術師を指す英語。

物語はシンプルです。夢見る羊飼いが夢を追うことの大切さを学んでいく作品。

どんでん返しがあるわけでもありませんし、特別なギミックがあるわけでもありません。

聖書やコーランや錬金術の話がベースとして、自己啓発のような説教臭い内容が続きます。

これは評価が分かれるところでしょう。

夢は呪いである

ネガティブな感想と解釈して欲しくないのですが、端的な感想を言うと、この本の言いたい事は「夢は呪い」ということです。

困難を乗り越えて夢を叶えないと呪いは解けず、真の自由は無いと言っているように思いました。

この呪いという考えは、夢よりも人生の安定を優先した作中の『パン屋』や『クリスタルの商人』に象徴されます。

ただ、どんな大人でも『パン屋』や『クリスタルの商人』の箇所は読むに値します。

夢というのは人生を拘束するものであると同時に自由をもたらす可能性を含んだ人生の種なのかもしれません。

夢に善悪はありません。

夢を解釈する心の有り様によって、道を見失ったり、新しい道を見い出したりすることが描かれています。

よく本を読む人ほど、子供だましの内容じゃないかと、嫌悪する内容に違いないでしょう。

普通の大人であれば、「何の役にも立たない」と一蹴してしまう内容です。

Amazonのレビューで★1を付けている方たちの評価内容に大いに共感するはず。

ただ、納得出来ないからと言ってその反感だけをこの作品にそのままぶつけてしまうのは、本を読む者としての姿勢としては正しくありません。

翻訳の日本語から読みづらいとの指摘されている方もいますが、翻訳というよりは本作で出てくるの宗教的なキーワードを理解する素地が私たち日本人にはほとんどないことが理解の妨げになっているんじゃないかと思っています。

読み辛くはなかったですよ。

人生の手段が目的になる危険性

人生の安定のために手段が目的になる危険性を描いています。

パンを得る為だけに人は生きていません。人の心の有り様を見れば、この点は明らかです。

しかし、人はパンのみよって生きるわけではないと言っても、パンが無いと一番基礎となる「命」がなくなってしまいます。

肝心なことは、命を保持する以上の富を得た時に、どういう人生の選択をするべきかを示唆してくれる作品としては評価できます。

この辺は非常に現実的な考え方で、人生を前に進める力を感じます。

最後に、私が気に入った一節を挙げておきますね。

明日、おまえのらくだを売って、馬を買いなさい。らくだは裏切る動物だ。彼らは何千歩も歩いても疲れを見せない。そして突然ひざまずくと、死んでしまう。しかし、馬は少しずつ疲れていく。だからおまえはいつも、どれだけ歩かせてよいか。いつ馬が死ぬ時か、わかるのだ。








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